2018年のプロジェクトマネージャー試験に合格しました。その報告等記載します。
なお、受験直後に書いた記事は、以下の通りです。
問題と解答
公表されています。
興味ある方は見てください。
IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:問題冊子・配点割合・解答例・採点講評(2018、平成30年)
点数
午前Ⅰ*1はよいとして、午前Ⅱは出来栄えが微妙でした(前回記事参照)し、午後Ⅰもギリギリです。
午後Ⅱについては後述します。
各問解説と感想
午前Ⅰ、午前Ⅱは割愛します。選択式なので、考え方等ではなく、知っているかどうかです。
知らなくても解ける問題もあるので、諦めずにやりましょう。
午後Ⅰ 問1
SaaSを利用した営業支援システムを導入するプロジェクト
についての問題です。
問題文を読み進めていくと、費用面が強調されています。
一方、留意すべき事項は、
- 過度なサービスとならない
- 機能拡張はしない(現状の業務を変える)
- 業務負荷が過度にならないようにする(学習等)
- サービスレベル
等でした。
個人的には、素直な問題で、解きやすかったです。
午後Ⅰ 問2
システム開発プロジェクトの品質管理
についての問題です。
この問題に出てくるL課長という人物がいるのですが…この人が優秀過ぎます。
思考についていけないよ、と思いながら解いていました。
この問題を選択したのは失敗だった*2、と今でも思います。難しいです。
問題を要約すると、
- 次工程以降で発見される欠陥は、品質の向上に寄与しない(特にテスト工程。設計を見直すことは通常無い)
- 欠陥は、それが混入された工程で発見されるほうが良い
- それを評価する指標を作ろう!
その内容に、品質コスト、すなわち、対処より予防が高くつく場合を考慮するとか、いろいろ考えます。
プロジェクトの品質を考えるのはプロジェクトマネージャーの役割ですが、品質管理専門置けばよくね?と思います。
午後Ⅱ 問2
猛烈な頭痛に襲われながら受けた、午後Ⅱです。
論述問題です。問2を選択しました。
システム開発プロジェクトにおける本稼働間近で発見された問題への対応について
という問題です。
私が書いたのは、
- 社内システム本稼働直前で、不具合が発覚。しかし、使っている製品のアップグレードが必須と判明
- 直前で変えるのは非常にリスキーなため、運用による回避を狙う
- 利用部門をまたぐデータ連携で問題が起こるため、問題が起こる部分を全部門に洗い出し依頼しつつ、最初に判明した部門間で暫定運用を定める
- そのときの資料を元に、「誰が」「誰に」「どのデータを」連携すれば問題ないか記載するチェックリスト形式の資料を作成し、各部門間で作成を依頼
- 追加開発が必要な場合が想定されたが、時間がないため、「先着順で」対応する旨を全部門に通知(早期に洗い出しを行うメリットを相手に与える)
- その資料は、本稼働後の分析資料としても使えた
というような話です。
まあ、だれがどう見ても最初の分析が悪い状況です。
問題上は、途中参画プロマネという立場だったので、問題なしです。
ちなみに、半分ぐらいは実在したプロジェクトの話ですが、関わった立場や解決策は試験中に考えました。
現実では、各部門に資料作成依頼出しても、まるで提出されません。
だからメリットで釣るという形を取ったわけですが。
仮に問題にピッタリのシチュエーションに遭遇したことがあり、問題が期待する解決策で解決できたなら、試験合格は余裕だと思います。
あとは、論理的に整合性が取れているかどうか、とかいろいろありますが、参考書にコツは書いてあるので…
使用した教材
二冊です。
私は、どの試験でも大抵この二冊しか使いません。
不足した情報はググる、他の書籍を見る等で補います。
システムアーキテクトを受験した際は、主要業種の業務フローの本を合わせて読んでいました。
あと、勉強としては微妙ですが、考え方の基礎はデマルコ本で形成しています。
『熊とワルツを』は、勉強目的としても非常に良いです。リスク管理がわかりやすくまとまっています。
おわりに
正直、午後Ⅱの出来がいまいちと考えていたので、落ちた気がしていました。
解答、というか出題趣旨には、
稼働日の延期が難しい状況にあるときに、本稼働間近で稼働日までに解決が困難な問題が発見された場合、利用部門や運用部門などの関係部門と調整し、合意を得ながら、暫定的な稼働に至るために立案、実施した当面の対応策に具体的に論述することを求めている。
とあるので、案外外していなかった、という気もします。
チェックリストの作成辺りは、リアリティがあるなぁと思います。
まあ、受かってよかったです。
今後受験される方々の、何かの参考になれば幸いです。