前回記事から間が空いてしまい、申し訳ありません。
上記に載せた前回の記事ですが、大変な反響がありました。一日で16,000PVぐらいありました。普段はせいぜい500PVなので、伸びすぎてやばい!という気持ちでいっぱいでした。
読者となっていただいた方も一気に増えました。大変喜んでおります。拙い記事ばかりで、私が書けることを書くだけの当ブログですが、これからも読んでいただけると励みになります。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
コメント等について
はてなブックマークや、エゴサしたTwitter*1にも、多くの反応とコメントがありました。ありがとうございます。
本来、個々にお返事すべきかと思いますが、直接返信できません。気になった部分と補足したほうが良いと感じた部分について、この記事にてお返事する形を取ります。
全てのコメントに対して反応できない点、ご容赦ください。
なお、元記事で記述まずかったなぁと思う部分はありますが、あえて編集せずに残しておきます。
綺麗なソース、設計を推進する意味がない、の部分
この部分、記述が分かりにくかったな、と思いました。
記述した内容はあくまで例です。企業側に知識が無いと、汚いプログラムを掴まされるよ、という話です。
社内で「動けばいいんだよ!」という言葉は聞こえてきます。よくないですね。
実際に上司から、次の受注のために品質下げて作って、と直接言われたことはありません*2。そんなこと言われたらその場で辞めます。
受注の継続を目指すなら、当然品質は確保すべきです。不具合が無いことが信頼につながります。
ただ、その品質は動くシステムを作ることであり、内部構造をきれいに保つことではありません。私がSIerで働いていた経験上、設計や内部実装について聞かれたことは数えるほどしかありません。
企業の担当者からしたら動けばいいという考えで、それじゃいつか爆発するよ、と思います。
汚いソースのメンテなんて、誰もやりたがりません。企業が今のベンダーに不満を持ったとして、新たに引き受けてくれるベンダーを探そうとしても、賢明な人なら避けます*3。
また、人月商売では、早く終わるほど受注金額は減ります。
仮に私が設計やコーディングスキルを伸ばし、素早く作成できるようになったとしても、自社の利益に結びつかないと私は考えています。よって、エンジニアが成長する必要性に乏しい、というだけです。
前職について
給料下がるのによく辞めたね
というコメントや、
なんで辞めたのか
というコメントがありました。
前職では、ボーナス査定の際、部門内で社員をランク付けするという制度があり、上位であるほど倍率が上がります。私はベテラン勢を差し置いて、なぜか常に最上位でした。そのため、年収ベースではかなりいただいていました。
しかし、企業文化として強烈なトップダウンであり、自由にさせてもらえずにひどい設計を受け入れざるを得ない*4先輩社員を見て、ここにいたら同じ思いをしてしまうのかという絶望が、前職を退職した理由です。
そのときの絶望も記事にしていますので、よければご覧ください。
給料下がるのを受け入れたのは、
- 一刻も早く退職したかった
- 当時は
C#
とWindows Form
ぐらいしか経験がなく、スキル範囲が狭かったので妥協が必要だった - 私の年収が同世代水準より多かった*5
という事情です。次で上げればいいや、という気持ちもありました。
正気かよ
というコメントありましたが、動機としてはやりがい云々よりその場からの逃避が強かったです。それだけこの業界が好き、というのもあるかもしれませんが。
なお、現職は中小のSIerです。
企業の視点
社外ベンダーに頼りすぎている、という危機感をお持ちの方からもコメントありました。
事業会社にいる身からも同じ意見。社外ベンダーに頼りすぎ
とか
ベンダーロックインされているわが社と同じ危機感をSIerの中の人が感じてるのが救い
というものです。
日本の産業構造に起因する根深い問題なので、個人で変えるのはなかなか大変
というコメントもありました。
企業からしたら、ITはコストだったり、直接雇用しても雇用の流動性が低くて困ったり、雇用し続けるリスクもあるのだろうと思います。
ここはもう、社会の変化を期待するしかないというのが本音です。SIerが存続しているのは需要があるから、というのも納得で、だから必要悪と私は思っています。
もし、企業がエンジニアを直接雇用し始めたら、社会は激変すると私は思います。
SIer視点
需要があるから供給がある、という経済学の基本的なところを押さえた産業ですね。
コンサルを兼ねられるぐらい、お客さんにいろいろ言えるぐらいの専門家集団になれば、今後も安泰かなと思います。それをSIerと呼ぶかどうかは別として、ですが。
おわりに
PV数が伸びるの、正直心臓に悪いんですけどね。嬉しい悲鳴だと考えるようにしています。
正直、「やべえよ…この伸びはやべえよ…」という心境で、その日は気が気ではありませんでした。
それはそれとして。
私はまだまだ経験浅いですし、当然見えていないものもたくさんあると思います。
コメントいただいた中で、その視点なかったなぁというものもあり、いろんな気づきがありました。そういう意味で、記事を書いてよかったと思っています。
共感していただけた方も多かったです。個々のコメントにお返事できていませんが、とても励みになりました。
前回のような、自分の思いを吐露するような記事はなかなか書けませんし、普段は極力技術的視点で記事を書こうとしております。しばらくは書籍感想や技術記事を書くブログになります。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。